罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

まだありました!

承前。

中公新書の新刊『ヒトラーの時代 ドイツ国民はなぜ独裁者に熱狂したのか』は、何度も取り上げられているテーマですね。池内紀さんがそれをどう料理しているのか興味深いです。

中央公論新社のウェブサイトによる同書の内容紹介には

泡沫政党だったナチスの党首アドルフ・ヒトラーは、圧倒的人気を獲得し、権力の座へ駆け上がった。独裁制はなぜかくも急速に実現したのか。ドイツ国民がそれを支持した理由は何か。アウトバーン建設、フォルクスワーゲン(国民車)の生産、労働環境の改善、社会福祉の拡充といった巧みな施策、そしてゲッベルス主導のプロパガンダゲシュタポによる弾圧――。さまざまな角度から、ヒトラーを独裁者に押し上げた「時代」を描く。

とあります。

こんな内容紹介を読んで思い出されるのが『独裁者は30日で生まれた ヒトラー政権誕生の真相』です。

本書も同じようなテーマを扱っている本で、そのキャッチには「なぜヒトラーは首相になれたのか? 米独歴史学界で大論争を巻き起こした碩学が辿りついた結論」とあります。

やはり海外でも論争の的なのですね。日本でも政治家が「ヒトラーは合法的に政権についた」といったことを言う人がいましたが、そのあたり本書を読めば正しいのか間違っているのか、わかると思います。

さて、ウェブサイトの内容紹介を見ますと、

 1933年1月30日、ワイマール共和国大統領パウル・フォン・ヒンデンブルクアドルフ・ヒトラーを首相に任命した。後から振り返ると決定的なこの出来事は、果たして避けがたい必然だったのか? それとも避け得る過失だったのか? 本書はこの近代史最大の〈謎〉に挑んでいる。 著者ターナーは、大資本がヒトラーの権力掌握を準備したという当時支配的だったマルクス主義的見解に挑戦して、大論争を巻き起こした人物として知られる。本書では、そうした観点に立ち、ヒトラーの権力掌握を具体的な出来事に位置付けていく。 相次ぐ選挙での敗北、枯渇する党資金、突撃隊の叛乱など、このときヒトラーはまさにどん底にあった。側近のゲッベルスが暗い気持ちで「1932年は長い不運の連続だった」と日記に書き記したほどである。 それではなぜヒトラーは権力を掌握できたのか? 鍵となるのはごく少数の政治家の動静である。歴史を安易に「非人間的諸力」に還元するのではなく、一日一日を丹念に検証していった先に見えてくるものは何か? 古典として知られる名著の本邦初訳。

とあります。

さあ、二冊一緒にどうぞ!