罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

バスク!

今月下旬、新潮クレスト・ブックスの新刊で『アコーディオン弾きの息子』という作品が刊行になります。

著者はベルナルド・アチャガ、訳者は金子奈美。たぶん、著者は日本に紹介されるのは初めての作家ではないでしょうか?

訳者の名前を見てピンと来た方は、この作品もバスク語の作品ではないかと予想したのではないでしょうか? どうやらそれは正解のようです。同書のウェブサイトには次のような内容紹介が載っています。

亡くなった親友が遺した回想録に書かれていたのは、アコーディオン奏者として知られた彼の父親の、もう一つの顔だった。果たして父はファシストとして人を殺したのか。スペイン内戦から民族解放運動まで、波乱の近現代史を描く、バスク語で書かれた長篇小説。

スペイン内戦が背景となっているバスクの文学と言えば思い出されるのは、同じく金子奈美訳『ムシェ 小さな英雄の物語』(キルメン・ウリベ著)ではないでしょうか? こちら公式サイトの内容紹介は

スペイン内戦下、バスクから疎開した少女を引き取ったベルギーの若者ロベール・ムシェ。その出会いが、彼の人生を思わぬ方向へと導いていく……。 それから70年近くを経て、バスクの作家によって見いだされた、無名の英雄をめぐる心揺さぶる物語。

です。本作品は日本翻訳大賞受賞作でもあります。未読の方、この機会にバスクの文学にどっぷりハマってみるのは如何でしょうか?