罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

今日の配本(22/09/29)

家の本

アンドレア・バイヤーニ 著/栗原俊秀 訳

記憶にある最初の家は、おむつをしている「私」が祖母や両親、姉と、そして亀と暮らしていたところだ。やがて、放課後によく通った同級生の女の子の家、ぎこちない空気が重苦しかった親戚の家、ブラインドの空き具合が示す禁断の愛のメッセージを、息をつめてひたすら見上げた家、親が待つ家に帰りたくないがために入り浸った学生仲間の散らかった家、新しい家族を築いていった希望に満ちた家などが、そこにいた人々とともに思い浮かんでくる。なかには、大切な家族が病と闘っていた大きな施設もある。長年持ちつづけてきた家具を、やがて手放すことになった家もある……。家はいつだって見守っている。「私」が過ごしてきた家々が語る、「私」の人生の光と影。

キューバ・ミサイル危機(下) 広島・長崎から核戦争の瀬戸際へ

マーティン・J・シャーウィン 著/三浦元博 訳

原爆開発から冷戦下の核軍拡競争に至る文脈に絶体絶命の危機を位置づけ、ピュリツァー賞受賞の歴史家が13日間の一触即発の攻防を描く。

国境を越えるためのブックガイド50

小川忠

本書は一般的な意味でのブックガイドとは異なる。本書は、日本最大の公的国際交流機関である、国際交流基金の職員が、自分たちの「愛読書」を取り上げ、それらを通じて、国際文化交流に懸ける自らの思いを語っている。