罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

存亡の秋

少し前の朝日新聞に「外国語検定に存続の危機」という記事が載りました。

外国語の検定試験というのは、その多くが春と秋の年に二回試験を実施しています。しかし、今年はコロナ禍で春季試験を実施できなかったところが多かったようです。英検の模様がニュースになっていましたが、試験会場や入り口が密になりすぎて、感染を恐れ受験せずに帰宅した人もいるとニュースでやっていましたが、恐らく英検の事務局には相当数の避難が寄せられたのではないでしょうか?

漢検や英検はかなり大規模な検定試験ですから、受験者数も多く、それなりに財政的な体力もあると思いますが、それ以外の外国語の検定試験は小さな運営団体のところが多いと思いますので、試験を実施できないことはそのまま収入減、存続の危機へと繋がります。文科省には支援をしてもらいたいところです。

そして、この秋の試験も実施できるのか否か、予断を許さない状況だと思います。ワクチンの準備や感染の広がりによっては、今秋はおろか来春の試験だってどうなるかわかりません。そうなると本当に潰れてしまう事務局もあるかもしれません。そうなると試験を受けようと感得ている受験生や学習者はどうなってしまうのでしょう。

さて、試験が実施できないと事務局もそうですが、検定対策本を刊行している出版社も大変です。なにせ、検定対策本というのは、決まった数が定期的に売れるコンテンツであるからです。この売り上げが、試験の中止で飛んでしまったら出版社も相当苦しくなります。

もちろん検定対策本は、受験生だけでなく、受けないけれど自分の力試しにやってみる、という目的で購入している人いるので、まるっきり売れなくなるわけではありませんが、それでも試験の中止が続くようだと、影響はボディーブローのように効いてくるでしょう。

ちなみに、タイトルの「秋」は「とき」と読みます。