罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

東へ西へ

絶好の行楽日和というのは今日のような日を言うのでしょうか? 朝こそ少し寒かったものの昼間は日差しが燦々と降り注ぎ、天気予報は未確認ですが、恐らく春のような陽気になったのではないでしょうか?

そんな日曜日、母を連れて上野の東京国立博物館へ行って来ました。目的は「出雲と大和」展を見るためです。平成館の2階ワンフロアを使った特別展はいつもどおりで、日曜日ということもあって、そこそこの人出でした。

もちろん入場制限がかかるほどの混雑ではなく、混み合っていたのは最初と二番目の部屋くらい、後半は皆さんお疲れなのか展示物もじっくりと見られました。思いのほか国宝や重要文化財も多く、教科書で見たようなものも数件ありました。

こういうところへ来た時にお楽しみの一つはショップです。今回は特に何も買わなかったのですが、今回の展覧会のために作られたのか否かわかりませんが、ネクタイが売っていました。柄がいまひとつ惹かれなかったのと、お値段が8800円と少々高かったので諦めました。

そんなショップですが、当然置いてあると思った岩波新書の『出雲と大和』が置いてありませんでした。他にもいろいろと書籍は並んでいたのに、展覧会と同じタイトルの書籍が並んでいないなんて! タイトルは同じでも展覧会の展示内容と同書の内容に違いがあったのでしょうか? いや、岩波書店の本なので、何らかの大人の事情があったのかもしれません。ちなみに同書、本館のミュージアムショップには並んでいましたので、もしかすると平成館の2階ショップでは売り切れていただけなのかも知れません。

さて、見終わると、お昼の少し前です。上野公園の西郷さんのところ、UENO3153内にある「ねぎし」で久々に牛タンを堪能しました。やはり牛タンは美味しいです!

さてその後です。今日出かけたのは東博の展覧会を見るのも理由の一つですが、実はもう一つ、母の姉、あたしから見ると伯母さんのところへ様子うかがいに行くためでもありました。母の姉ですからもう80代も半ば、少し痴呆が出ているということで、母だってこの先何回逢えるかわかりません。お互いに元気なうちに逢っておきたいということで出かけたわけです。

その伯母の家は世田谷区の上野毛にあります。上野からは銀座線で表参道へ、そこで半蔵門線に乗り換えて二子玉川まで行き、大井町線で一つめになります。伯母さんは、ひとまずは元気そうで、母やあたしのこともわかっているようでしたが、ここ十年くらいの記憶がやや曖昧になっていました。とおに亡くなっている人をまだ生きていると思い込んでいたり、あたしら甥っ子、姪っ子の名前などもゴチャゴチャになっている感じです。まあ、仕方ないですね。

小一時間ほどお邪魔して辞去しましたが、果たしてあたしや母が訪ねたことを認識できていたのか、そして一時間後にも覚えていられるたのか、そんな気がします。