罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

2007-01-01から1年間の記事一覧

トンデモ国家、中国の驚くべき正体

『トンデモ国家、中国の驚くべき正体』読了。日本に帰化した中国人が書いた中国の真実ってことなんですね、本書は。ただ、改めて言われるまでもなく、すでに書かれているような事柄は、日本人が書いた著作の中にも見られますので、それほど新味があるとは思…

読み忘れ三国志

『読み忘れ三国志』読了。荒俣宏さんだからスゴイ、という部分はありません。むしろ原書をちゃんと読んでいないことや、古典中国語および中国古典に対して荒俣さんが不案内なために、基本的な認識間違いも散見されます。章によっては三国志そっちのけで、ご…

断末魔の中国

『断末魔の中国』読了。確かに著者の言うとおり、最悪のシナリオを突き進めば、本書に書いてあるようなことも起こりうるでしょうけど、一方で著者が言うような懸念、危惧を真っ向から否定する書物も多く、それもそれで説得力に富んでいます。どちらも極端だ…

中国を追われたウイグル人

『中国を追われたウイグル人』読了。日本人の多くは、中国共産党がチベットでどれだけひどいことをしたかということについては、それなりに(おぼろげではあっても)知っていると思いますが、ウイグル人に対してどんなことをしたのかについては、著者が本文…

日本は中国でどう教えられているのか

『日本は中国でどう教えられているのか』読了。日本のごく普通の高校の歴史教師が、中国北京の中学高校で歴史の授業に参加して体験したレポートです。中国の学生、それも何かと注目されるエリート大学生ではなく、一般の中学生、高校生の声が聞けるのが、こ…

中国雑話中国的思想

『中国雑話中国的思想』読了。後半の半分を占めるのは中国拳法です。ですので、この手の本にありがちな、中国史の有名人物やおもしろ人物を取り上げて、著者が料理してみせる的な新書ではありません。各章の分量や書きぶりもずいぶんと異なります。読みにく…

大地の咆哮

『大地の咆哮』読了。単行本が出て、かなり話題になっていたのに、何となくスルーしてしまい、今回文庫本になったので、これは読んでおかないと、と思って購入しました。内容は、よくある中国ウォッチもの、という印象を受けますが読んでいるとちょっと違い…

上海ジャパニーズ

『上海ジャパニーズ』読了。上海で活躍する(した)日本人24人へのインタビュー集で、文庫化に当たりその後の24人の現況をも収録。この手の本はいくつかありますが、どうも「自分は特別」「夢を追って生きてるんだぜ」的な物言いが鼻につくことがあって好き…

謝々!チャイニーズ

『謝々!チャイニーズ』読了。かつて単行本で出ていた時にはノーチェック、気づきもしませんでした。さて内容はカメラマンでもあり、フリーのライターでもある著者が、まるっきり一人で中国最南端、ベトナムとの国境に近い小さな村(町?)から沿海部を北上…

中国「反日」の虚妄

『中国「反日」の虚妄』読了。著者古森氏の著作はこれで二作目か三作目です。新聞社の北京支局長としての鋭い分析はなかなか素晴らしく、本書でも前半の自信の体験記の部分はなるほどと唸らせてくれます。しかし、後半の鼎談、対談では単なる嫌中派の提灯持…

漢文力

中公文庫に改めて収められた『漢文力』読了。親本が出た当時、「○○力」といったタイトルがブームだったので、それにうまく乗って売れたみたいですが、言うなれば<現代に活かす古典の智慧>っていう本です。ですから、捉えようによっては、類書は掃いて捨て…

北京―皇都の歴史と空間

『北京―皇都の歴史と空間』読了。北京という街の歴史を述べ、現在の都市開発の状況とのその問題や将来を紹介した本ですが、都市学というのか社会学と呼ぶのでしょうか、そういった観点からのアプローチになっています。単に北京の歴史を歴史物語風に紹介して…

千年の祈り

『千年の祈り』読了。著者は大学卒業後アメリカへ渡り、そこで作家に転身を遂げた方だそうです。本作は短編集で、どの作品も独立しているので、タイトルで興味を持ったものから読み始めても何の問題もありません。作品はどれも現代中国の重苦しさ、息苦しさ…

街場の中国論

『街場の中国論』読了。内田樹さんがご自身のゼミでの中国論をテープ起こしして書籍にまとめたものです。内田さんはご存じのように、そしてご自身も書いていらっしゃいますが、中国学の専門家でもなければ、中国語が堪能なわけでもありません。もちろん国際…

胡同(フートン)の記憶―北京夢華録

『胡同(フートン)の記憶―北京夢華録』読了。朝日新聞で著者・加藤さんの中国記事はとても安心して、かつ信頼して読むことができましたが、その理由がわかるような加藤さんの中国体験エッセイです。中国取材の苦労は多々あるでしょうけど、この本は取材や生活…

中国美人伝

『中国美人伝』読了。西施のように比較的有名な女性も取り上げられていますが、全体としてはややマイナーな女性が多いです。ただ、メジャーな西施にしても、通常語られる西施の物語とはずいぶんと趣向が異なる作品になっています。多くは謀臣・范蠡の策略の…

北京大学てなもんや留学記

『北京大学てなもんや留学記』読了。『てなもんや商社』の著者ですから面白くないわけがないです。ただ、『商社』が「なんじゃ、中国!」的な爆笑エッセイだったのに比べると、中国をかなり深く理解し、中国語も堪能になったぶん、冷静かつ客観的に眺めてい…

上海発! 新・中国的流儀70

『上海発! 新・中国的流儀70』読了。上海在住の著者による現代中国ウォッチング。現代中国と言うよりも、現代上海と言った方がふさわしいもしれません。さすが住んでいるだけあって、そして学者先生の遊学とは異なり、中国を観察する視線、角度が独特です。…

中国の不思議な資本主義

『中国の不思議な資本主義』読了。中国の市場経済が今後どうなるか。永年中国で現場をウォッチしてきた著者による社会学的アプローチ。中国社会や中国経済が抱える現在のさまざまな問題の原因を、中国が発展途上国だからである、という通俗的な説明に求めず…

中国は敵か、味方か

『中国は敵か、味方か』を出張の合間に読んでいました。莫さんの本は過去にも何冊か読んでいますが、日本のこと中国のこと両方を理解されているので、いろいろ目から鱗でいつも読んでいます。日本で出している本なので、莫さんが「日本人は中国人のこういう…

丁庄の夢

『丁庄の夢』読了。中国のエイズ村の現実を活写した、でもノンフィクションではないんですよね。全体としてはフィクションなんでしょうけど、ここのエピソードについては、ほぼその通りの事実があったんじゃないかと推察されます。ひと儲けしようと、健康や…

破壊の女神 中国史の女たち

『破壊の女神 中国史の女たち』読了。これまで井波さんの作品は、中国モノなのになんでこんなに横文字多いの(?)っていう感じで苦手だったんですけど、本書はそんなこともなくすっきりと読み終わりました。中国史に登場する女性というと、西施、則天武后、…

百人斬り裁判から南京へ

『百人斬り裁判から南京へ』読了。あまり読後感のよいものではありませんでした。本多氏の「中国の旅」が嘘八百を並べているというのは以前から耳にしていましたから。それに朝日新聞などの会社としての態度も今さら言うまでもないことです。それはさておき…

乾隆帝―その政治の図像学

『乾隆帝―その政治の図像学』読了。清朝の最盛期を作った皇帝として有名ですし、やはり『四庫全書』などの文化事業(それが知識人対策であったとしても)でも知られてる皇帝です。ただ、そういった政治的、文化的な業績が有名であるからこそ、本書のような空…

周恩来秘録

『周恩来秘録』読了。毎晩、寝しなに少しずつ読んでいたので、上下間でかなり時間がかかってしまいましたが、ようやく読み終わりました。周恩来の生涯のすべてを網羅したものではなく、その原題が示すように晩年の周恩来に絞って書かれています。多くの評者…

新しい中国古い大国

『新しい中国古い大国』読了。正直、何を主眼とした本なのか、今ひとつ理解できませんでした。目次を見る限り、簡単な概説書のように思われたのですが、内容は著者の中国見聞記のところもあれば、自身の自伝(想い出?)的な部分もありで、なんともまとまり…

鷲の人、龍の人、桜の人

『鷲の人、龍の人、桜の人』読了。副題に「米中日のビジネス行動原理」とあるように、日中米の比較文化論ではなく、あくまでビジネス分野での三国の気質の違いを実例を交えて紹介するといった本です。アメリカ人の部分はいざ知らず、中国人の部分では、確か…

北朝鮮・中国はどれだけ恐いか

『北朝鮮・中国はどれだけ恐いか』読了。北朝鮮、中国の軍事力に関する専門家の客観的な分析。ちょっと軍事や戦艦、戦闘機に知識があれば、すぐにわかるようなマスコミ、識者の誤りを具体的な資料の裏付けで修正してくれます。論はかなり説得力を持っていま…

とらえどころのない中国人のとらえかた

『とらえどころのない中国人のとらえかた――現代北京生活事情』読了。著者は家族連れで北京に数年間滞在していた方です。ですので、ほんの短い間滞在するだけの旅行者や、政治に振り回されがちな新聞記者、熾烈なビジネス競争に巻き込まれている企業人とは異…

もし、日本が中国に勝っていたら

『もし、日本が中国に勝っていたら』読了。中国のネットに発表されて話題となった文章の日本語訳。訳者も言うように、細部はまだまだ甘い部分がありますが、中国人には受け入れがたい部分が多いのではないでしょうか?ただ、この本、タイトルと内容は少しず…