罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

北京大学てなもんや留学記


北京大学てなもんや留学記』読了。『てなもんや商社』の著者ですから面白くないわけがないです。ただ、『商社』が「なんじゃ、中国!」的な爆笑エッセイだったのに比べると、中国をかなり深く理解し、中国語も堪能になったぶん、冷静かつ客観的に眺めている著者の視線があります。

中国の最高学府・北京大学だからこそ味わえる中国人の本音と建て前、知識人の苦悩、そして相変わらず変わらない中国人。

著者の指摘はどれも非常に説得力がありますし、中国と中国人への愛情あふれる苦言・心配も非常に同感です。著者が孤軍奮闘、必死になって日本人としての主張をする姿はとても素敵で凛々しいです。「こんなことなら、もっとディベートの訓練をしておくんだった」という著者のつぶやきは、そのまま日本人全体に当てはまることでしょう。