罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

なぜ中国人は日本人にケンカを売るのか


『なぜ中国人は日本人にケンカを売るのか』読了。

なんとなく莫邦富さんのエッセイを思わせるところもありますが、莫さんの方がもっとギラギラとした感じを受け、こちらはさすがに孔子の直系の子孫だけあって、もう少し穏やかで優雅な感じがあります。

日本人に対しもっと中国のこと、そして中国人のことを知って欲しいと言う、同じ強さで中国人に対してもっと日本人のことを知らないと、と注意を促しているところは公平な感じを受けます。

ただ前にも書きましたが、こういった中国人に対する意見、提言ってものが、中国の人々、特に憤青と呼ばれるような若者たちにどれほど届くのでしょうか? そもそも、例えばこの本を翻訳して中国で出版することは可能なのでしょうか?

この手の本を読むと、常にそういうことを考えてしまいます。

でも、欧米が求めるような民主化を、今の中国に頭ごなしに求めるのは、やはりあたしも混乱の方が大きく、あれだけの大きな国、国土も人口も桁違いで、なおかつ経済格差も桁違いな国ですから、ある程度の中央の強権的な指導がないと空中分解するのではないかとも思います。

著者が、そのような意味で、胡錦涛主席の斬新的な改革に期待を寄せているのは理解できます。