罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

2009-01-01から1年間の記事一覧

『中国共産党「天皇工作」秘録』読了。

本書は、日中双方の政治家、研究社などに丹念に取材した成果を元に、彼らの証言から構成される日中政治交流史といった本です。交流史と言ってしまうと、かなりふやけた、甘っちょろいものを連想してしまうので、むしろ「疎遠史」と呼んだ方がいいかもしれま…

中国の異民族支配

『中国の異民族支配』読了。このところ、ウイグルやチベットでの騒乱が続いています。三農問題、格差問題と並んで中国の民族問題が、これからの中国の発展・安定にとってかなりの不安材料だということがわかります。これらに関する日本の報道では、ウイグル…

北京陳情村

『北京陳情村』読了。著者は、とにかく北京の陳情村へほぼ二年通ったわけです。ただ、国際的に陳情村が話題になった時期をとうに過ぎ、著者も通うことの意義を見失いながらの訪問です。著者は、新聞記者のように社会の暗部を鋭くえぐるわけでもなく、チャイ…

諸子百家―儒家・墨家・道家・法家・兵家

『諸子百家―儒家・墨家・道家・法家・兵家』読了。この十数年来の考古学的成果を取り入れた諸子百家の概論書です。ただ、考古学的成果が、あらゆる諸子の書に成果をもたらせたわけではないので、そこをあまり期待して読んでもいけないと思います。ある程度中…

『奔流中国21』『激流中国』

『奔流中国』と『激流中国』読了。かたやNHKで放送されたシリーズドキュメンタリーの書籍化、かたや朝日新聞の連載記事の書籍化です。大雑把な感想から言いますと、朝日の方が新聞紙面という制約があるのか、どちらかというと日本人から見ても目につく現…

中国という世界―人・風土・近代

『中国という世界―人・風土・近代』読了。こう書いてはなんですが、『コオロギと革命の中国』もそうでしたが、竹内先生、もうこういったたぐいの本をお書きになるのはやめた方がよいのではないでしょうか? あるいは編集担当者がもっと構成とかを考えて誘導…

漢和辞典に訊け!

『漢和辞典に訊け!』読了。 漢和辞典は漢字の辞典です。ただ、そう考えてしまうと日本語の辞典の一種だと思いがちです。でも、英和辞典、独和辞典、仏和辞典というように考えれば、漢和辞典も「漢」を日本語に置き換える外国語の辞典です。「漢」とは何かと…