罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

読書雑誌

『穴持たずども』備忘メモ

売行き好調なロシア文学の翻訳『穴持たずども』ですが、ロシア文学は登場人物の名前が覚えきれないので、メモを取りながら読んでいました。本作は、たぶんロシア文学の中ではそれほど登場人物が多い作品ではないと思いますが、同じ人物でも異なる呼ばれ方を…

全プレは応募しがちなタイプです

出版不況と言いながら、出版社はしばしば読者プレゼントを行ないます。書店店頭に置いてあって「ご自由にお持ちください」というものもあれば、本を買わないともらえないものもあります。そして今回、あたしが応募するのはこちらです。 はい、ご覧の通り、岩…

エクス・リブリスはどこへ行く?

あたしの勤務先から刊行を続けている海外文学のシリーズ《エクス・リブリス》の最新刊が月末に配本になります。今回刊行されるのは韓国の作家ハン・ガンの作品『別れを告げない』です。 《エクス・リブリス》に収録されているハン・ガン作品はこれが二作品目…

こちらも地味に増殖中

数年前に、わが家に架蔵しているちくま新書が100冊を超えたと書きました。その後何冊増えたか数えていませんが、置く場所に困っていることは相変わらず。 そんな筑摩書房ですが、同じ新書サイズで「ちくまプリマー新書」というレーベルもあります。こちらは…

読みたい本と読んでもらいたい本

久しぶりに(?)本の紹介を少々。まずは読みたいなあと思って購入した本から。 森見登美彦著『シャーロック・ホームズの凱旋』です。どこの書店へ行っても売れているみたいですね。特に関西では地元作家ということもあって非常に盛り上がっていました。同時…

本はできるだけ紙で所有したいと思っているのですが……

このところこのダイアリーでも「もう紙の本は置く場所がない、これからは電子書籍にしないとダメではないか」ということを何回か書きました。ただ、やはりあたしは本は紙で持っていたい、というタイプなので、なんとか本を置くスペースを作りだして本を並べ…

あたしが興味を持ったのは……

このところ一部で話題になっているという『ブッダという男 初期仏典を読みとく』を読んでみました。歴史上の人物としてのブッダに対し、現代の価値観を投影したブッダ像を構築してはならないという著者の意見にはもっともだと思います。 ただ、本書の立論が…

ちくま新書を6分の4

ほんの数日前のダイアリーで、もう本を置くスペースがない、これからは電子書籍にしないとダメか、と書いたばかりなのに。またまた買ってしまいました、ブツとしての本を! それがこちら。 筑摩書房のちくま新書です。 今月のちくま新書は6点刊行されている…

空想散歩?

ピーター・アクロイドの『魔の聖堂』を読み始めました。18世紀と現代のロンドンを舞台にしたストーリーです。章ごとに過去と現在が交互に語られる構成になっています。 最初の数章を読みおわったところなので、この後どういう展開になるのかまだわかりません…

見当たらない!

講談社学術文庫の新刊『台湾の歴史』を購入しました。 この本は、かつてちくま新書で刊行された『台湾 変容し躊躇するアイデンティティ』を大幅に増補し、タイトルも改めて文庫化したものだそうです。そうなるとタイトルも異なるわけですから、別の本と言っ…

自分で自分を褒めてあげたい?

本を読むスピードもそれほど速くはないですし、読んでいるジャンルもかなり偏っていると思います。ただ仕事柄、海外文学は比較的多く読んでいるかなあとは思うものの、他社作品まではなかなか手が出ていないのが実情です。 また、通勤電車や営業回りの途次の…

この場所の「秘密」とは?

本日配本の『大仏ホテルの幽霊』を読みおわりましたが、その中にまるであたしのことを言っているのではないかと思われる一節があったので下記に引用します。 あなたたちはみな、笑いたがっています。幸せを求めているんです。でも、お互いが信じられません。…

韓流が改めて面白い!

韓流と言っても、K-POPのことではありません。音楽番組に出演してパフォーマンスする韓流グループの楽曲くらいは眺めますが、坂道グループ好きのあたしとしては特にK-POPには惹かれません。ですので、ここで言う韓流とは韓国文学のことです。明日、《エクル…

在僅本はどれくらい僅少なのか

ジュンク堂書店藤沢店のフェアの模様をご紹介しましたが、同店では河出書房新社の在庫僅少本フェアも開催されていました。 で、ついつい買ってしまったのが右の三冊です。 カルヴィーノは今年生誕100年だったので各地の書店でフェアをやってもらいましたが、…

店頭で見つけた新刊などなど

ネットの情報も追ってはいますが、やはり書店に行った方が新刊に限らず、気になる本を見つけやすいですね。そう思ってしまうのは、ネットリテラシーが足りないからでしょうか。 そんな店頭で見つけた本の一つが、翻訳家・岸本佐知子さんのエッセイ『ひみつの…

「待ってました!」の次は「待っています!」

あたしは子供のころから、それほどマンガを読むようなこともではありませんでした。毛嫌いしていたわけでもなければ、マンガを読むクラスメートをバカにしていたわけでもありません。そこまで本の虫ではありませんでした。 ただ単純に、少年サンデーとか少年…

待ってました!

ずいぶん前に注文していた書籍が届きました。忘れたころに注文品が届くというのは、書籍に限らず、これまでもよくあったことですし、届いたときに「あれっ、こんな本、注文していたっけ?」と思うこともしばしばです(汗)。 今回届いたのはちくま新書『人類…

重なりがち?

今月のちくま新書の新刊、3冊を購入しました。それが写真の三点です。 『現代フランス哲学』『ガンディーの真実』『問いを問う』です。今月のちくま新書は6点刊行されているわけですが、そのうちの三点ですから、半分買ったということになります。 毎月そ…

しおり、栞、久保史緒里

タイトルはふざけてしまいましたが、本に挟むしおりの話です。乃木坂46の三期生、久保史緒里の話ではありません(笑)。 さて、自宅では寝床で単行本を読みますが、通勤電車の中、営業回りの途次には、荷物になるので単行本ではなく、文庫本や新書を読むこと…

姉妹篇のように感じてしまうのは普通じゃない?

最近、こんな本を買いました。祥伝社新書の『大人処女』です。ちょっとドキッとするタイトルですね。いや、こんなタイトルでドキドキするのは中学生男子だけか……(爆) それはともかく、この本を書店で見かけたときに思い出したのが、15年ほど前に扶桑社新書…

完結しましたね

ハルキ文庫から『親王殿下のパティシエール』という作品が刊行されています。単行本が先に刊行されたり、どこかの雑誌に連作されていたものをまとめたり、といった作品ではなく、文庫オリジナルのようです。 カバー装画を見ると、少女向けの作品なのかなとい…

単なる偶然なのですが……

この数日読んでいた本、カバンに入れて営業回りの移動中に読んでいたのが、新潮新書の『スサノヲの正体』、そして寝床で読んでいるのが、新潮クレスト・ブックスの『ある犬の飼い主の一日』です。どちらも新潮社の刊行物です。単なる偶然ですが、新潮社でか…

似て非なる、否、そもそも似てないか?

松田青子『おばちゃんたちのいるところ』を読んでみました。本作の内容紹介には 追いつめられた現代人のもとへ、おばちゃん(幽霊)たちが一肌脱ぎにやってくる とあります。幽霊がやって来ると聞いて思い出したのが、『海峡を渡る幽霊』です。 こちらはの内…

読むべきなのはどれかと問われたら……

《エクス・リブリス》の最新刊『未来散歩練習』を読んでいます。 韓国の作家、パク・ソルメの作品で、《エクス・リブリス》では『もう死んでいる十二人の女たちと』に続いて二つめの作品です。この数年、出版点数が非常に増えている韓流作品の一つです。それ…

ただの西部劇ではない?

《エクス・リブリス》の『終わりのない日々』読了。カバー写真どおり、アメリカの西部を舞台にした作品でした。もちろん時代も南北戦争のころで、現代の物語ではありません。 語り手の主人公は、アイルランドからアメリカ大陸に渡ってきた少年で、炭鉱街の酒…

この二点はペアで売りたいですね!

少し前に中公新書の『物語チベットの歴史 天空の仏教国の1400年』を読み終えました。中国共産党の弾圧などチベットの状況は、お隣のウイグルと共に悲惨な状況になっているようですが、そんなチベットだからこそ、まずはその歴史を簡便に知りたいと思って手に…

重なりますよね?

このところ、ちくま新書やちくま文庫ばかり買っているような気がしていましたが、今月は中公新書も面白いです。ご覧のように、三冊も買ってしまいました。 こういう新書って、読みたくなる、興味があるタイトルがまとまって出るように感じます。昨日今日そう…

ちょっと気になるんですけど、お値段が……

講談社現代新書の『ドイツ誕生』を読みました。 この場合の「ドイツ」とは「ドイツという概念」「ドイツ人という意識」といったもので、そういう「ドイツ」というまとまりが出来るきっかけになったのが、神聖ローマ帝国を作ったオットー1世であり、彼の一代…

令和の文学全集?

姪っ子に小学館の『小学館世界J文学館』を買ってあげました。姪っ子たちは静岡に住んでいるので、ネットで購入して、姪っ子の家へ配達するように注文しましたので、あたしは現物を見ていません。 やや大型本のようですが、これで100冊以上の世界の名作が収…

読みたい本がどんどんたまっていきます

月末に配本予定の海外文学の新刊『家の本』と『エバ・ルーナ』の見本が出来てきました。装丁はこんな感じです。 『エバ・ルーナ』はアマゾンなどでも装丁が出ていますが、『家の本』はまだだったと思いますので、一足早くご覧に入れました。如何でしょう? …