罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

「待ってました!」の次は「待っています!」

あたしは子供のころから、それほどマンガを読むようなこともではありませんでした。毛嫌いしていたわけでもなければ、マンガを読むクラスメートをバカにしていたわけでもありません。そこまで本の虫ではありませんでした。

ただ単純に、少年サンデーとか少年マガジンとか、そういった少年マンガ誌を買うことがなかったというだけ、マンガが嫌いなわけではありません。もちろんテレビのアニメだってたくさん見てきました。ですから、大人になってからも、ちょっと気になるコミックなどは買うことがありました。

そして今回買ってみたのがこちら、『神聖ローマ帝国 三十年戦争』です。そもそもコミックで神聖ローマ帝国が読めるなんて驚きです。こんな連載があったことも知らなければ、著者のこともまるで知らないのですが、ついつい買ってしまいました。

考えてみますと、ここ十数年、コミックもしっかり歴史を踏まえたものが増えましたね。専門家から見ても十分鑑賞に堪えるような作品が多くなっていると思います。学習まんがのバリエーションとして考えてよいかも知れません。

コミック売り場で探してみたことはありませんが、思わぬ時代や人物を描いたコミックが結構出ているものです。そのうち、こういう作品ばかりを集めただけでも、十分に書店の世界史の棚を埋められるようになったりするかも知れません。

それが果たして人文書の棚と言えるのか、異見のある方もいらっしゃるかと思いますが、それくらい時代考証もしっかりしていて、コミックだからといって侮れない作品が増えているということでしょう。専門書に挑むにはハードルが高すぎるから、まずは新書で肩慣らし、という方も多いと思いますし、あたしもそうなんですけど、これからはコミックから専門書に進んでくる人も多くなるのではないでしょうか。

ところでこの『神聖ローマ帝国』なんですが、今回発売されたのがコミックの第一巻です。そして巻末に「次巻予告」とあるのですが、発売はなんと2024年10月頃とあります。これってほぼ一年後のことですよね。全何巻になるのかわかりませんが、完結まで何年かかることやら……