罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

ちょっと気になるんですけど、お値段が……

講談社現代新書の『ドイツ誕生』を読みました。

この場合の「ドイツ」とは「ドイツという概念」「ドイツ人という意識」といったもので、そういう「ドイツ」というまとまりが出来るきっかけになったのが、神聖ローマ帝国を作ったオットー1世であり、彼の一代記が本書です。

神聖ローマ帝国という名称はもちろん知っていましたけど、その初代が誰であったかなんてすっかり忘れていました。その一方でオットー一世という人物名は頭の片隅にあり、これまではその両者がまったく結びついていなかったわけです。あまりにも不勉強でした。

ところで、このオットー一世は広範囲にヨーロッパを駆け巡っていたようですが、特にイタリア遠征は大きな仕事だったようで、紙幅も多く費やされています。

そんなイタリア遠征の記事になると頻出するのがラヴェンナという都市の名前です。この地名には聞き覚えがあります。先日、勤務先から刊行された『ラヴェンナ』です。『ドイツ誕生』を読んでいると、やはりラヴェンナが気になります。どんなところだったのだろう、どういう役割を持った都市だったのだろう、当時の地政学的な位置というのはどんなものだったのだろう、などといった疑問、興味が次々に沸いてきます。

では『ラヴェンナ』も買って読んでみますかと言いたいところですが、ちょっとお値段が張るのですよね。本体価格8700円、税込だと9570円です。すぐには手が出ません(涙)。ただ、カラー図版も豊富で、頁数もありますから、値段以上の価値がある本であることに間違いはないのですが……