罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

千年の祈り


『千年の祈り』読了。著者は大学卒業後アメリカへ渡り、そこで作家に転身を遂げた方だそうです。

本作は短編集で、どの作品も独立しているので、タイトルで興味を持ったものから読み始めても何の問題もありません。作品はどれも現代中国の重苦しさ、息苦しさを抱えた現代中国人の姿が描かれていますが、基本的には都会に住む中国人の姿です。

アメリカでは数々の受賞歴を誇る本書ですが、私個人としては作品によって出来、不出来の差が多少あるように感じられます。重い中にも淡々とした描写が爽やかなものもあれば、なんか中途半端で何を描きたかったのか理解しづらいものも混じっています。

ただ、今後著者がどのような作品を発表してくるかにはとても興味が持てます。