罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

中国「反日」の虚妄


『中国「反日」の虚妄』読了。著者古森氏の著作はこれで二作目か三作目です。新聞社の北京支局長としての鋭い分析はなかなか素晴らしく、本書でも前半の自信の体験記の部分はなるほどと唸らせてくれます。

しかし、後半の鼎談、対談では単なる嫌中派の提灯持ちになってしまっているかのごとく、発言にも批判精神が感じられません。対談相手に何か遠慮があるのでしょうか。それとも、これが古森氏のホンネかと思うと、前半の体験記も色褪せてしまいます。

ワシントンなどの特派員経験もあるので、欧米の中国研究、中国分析にも目配りを効かせているところは買いますが、それらアメリカ人研究者(ウォッチャー?)の意見がどこまで、アメリカや日本で影響力を持っているのか、そのあたりもう少し説明があってもいいような気がします。