罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

そしてアンダーはどうなる?

昨日は、乃木坂46の次のシングルとそれを歌唱する選抜メンバーについて書きましたので、本日はアンダーメンバーについてちょっと語ります。

結成当初から表題曲を歌う「選抜メンバー」とそれ以外の「アンダーメンバー」に別れていたのは人数を考えるとやむを得なかったと思います。もちろん、最初から全員で歌えるように8人から12人くらいでスタートすれば話は別ですが、それではAKB48の公式ライバルという立ち位置にはなりません。大勢のメンバーを擁し、それぞれのメンバーにファンを付け、メンバーを競わせることによってCDの売上を伸ばすというビジネスモデルですから、少数精鋭は最初から選択肢としてなかったのでしょう。

あたしが書くまでもないですが、「AKB48の公式ライバル? なにそれ?」と鼻で笑われていた初期のころは音楽番組に出られる選抜メンバーが雑誌やメディアの取材も中心となって受けていて、アンダーメンバーはほとんど仕事がなかったようです。レッスンも必ずしも毎日ではなかったようですし、テレビで出られるわけでもないのに何のためにレッスンをしているのか、と疑問に思ったメンバーも多かったことでしょう。

乃木坂46の人気がある程度付いてきて、アンダーメンバーにもそれなりの人気や注目が集まるようになったころ「アンダーライブ」が始まったと記憶しています。アンダーメンバーはここでライブの数をこなし、パフォーマンスでは選抜メンバーに負けない、という自信と意地、そして誇りを身につけたのだと思います。いつか選抜メンバーを見返してやるというギラギラしたものがあったのではないでしょうか。

結果的に、専用の劇場を持たない乃木坂46にとってアンダーライブは貴重なパフォーマンスの場となり、また乃木坂46の人気上昇と相俟って、そこそこの規模の会場を埋められるだけのコンテンツに成長しました。よくも悪くも、功罪どちらもあると思いますが、一期生と二期生は一緒に乃木坂46を育てていった創成メンバーなんだと思います。

ところが三期生、四期生は、加入当初から別行動を取るようになり、何名かは選抜メンバーになるものの、それ以外のメンバーがアンダーに合流するのは遅れました。アンダーライブにもしばらく参加していませんでした。運営側がどうしてこういうやり方を選んだのかはわかりませんが、このころからアンダーから選抜への下剋上が少なくなったような気がします。

かつては入れ替わりがあったものですが、この数年、選抜メンバーがアンダーへ落ちることはなくなりました。選抜メンバーが体調不良で休業したり卒業したりして欠員ができると、そこにアンダーメンバーが補充されるという状態です。流動性やダイナミズムは皆無です。

もちろん選抜メンバーには選抜されるだけの理由があり、そう簡単にアンダーへ落とせるわけではありませんし、選抜とアンダーの明確な境界線なり、基準なりが示されているわけではないので、選抜メンバーについて書いたことの繰り返しになりますが、長老メンバーは自分から辞退しない限り半永久的に選抜メンバーでいられるのです。

男性アイドルが長く続けられるように、女性アイドルだって30過ぎても、40になったってアイドルを続けたっていいではないか、これからはむしろそうなるべきだ、という意見があるのは承知しています。しかし、それをやるのであれば、初めから少人数で新規加入メンバーなど作らず、オリジナルメンバーだけで活動をするべきです。

数年ごとに新メンバーを加入させる現在のやり方では、一定年齢に達したら必然的に卒業せざるを得なくなります。これはかなり大きな決断、運営の方針転換になると思いますので、既にコンテンツとして出来上がっている乃木坂46で行なうのは至難でしょう。

話がそれてしまいましたが、次のシングルのアンダーについてです。今回から四期生がアンダーに合流することになるようです。そうなるとアンダーもかなり大所帯になりますね。コロナがなければ、全国を回ってアンダーライブを行なうところでしょうが、たぶん乃木坂46に限らず、多くのアイドルやアーチストの活動方針にコロナは大きな影響を及ぼしてしまったのではないでしょうか。

誰がアンダーのセンターになるのかよりも、あたしはアンダーライブが行なえるか否かが大きな鍵なのではないかと思っています。現在の選抜の卒業予備軍の数を見ていると、五期生からの大抜擢も考えられますが、アンダーメンバーからも数名(5名くらい?)は選抜への昇格のチャンスがあると思います。そのチャンスをつかめるか否かの場としてアンダーライブができると、メンバーにとってもよいのではないかと思っています。

個人的には蘭世には選抜に昇ってきてもらいたいと切に願っています。