罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

思ったほどひどくはなかったかしら?

WOWOWで放送された映画「牛首村」を視聴。

「犬鳴村」「樹海村」と来た《村シリーズ》の第三弾で、キムタクの娘が一人二役で主演という話題もありましたね。

ただ、公開後のレビューなどを見ると、不評の嵐とまでは言わないまでも、かなり評価の低い作品だったようなので、こちらもあまり期待せずに見た次第。

結論から書きますと、まあまあ面白かったのではないか、という感じです。双子を忌み嫌うというのは映画の舞台となった地だけでなく、他にも(たぶん日本国外でも)たくさんあると思います。ただ、この映画のように殺してしまうということはせず、他家に養子に出すというのが常道だと思います。

それにしても物語の後半、ずいぶんと村の双子(の亡霊?)が現われましたが、あんなにも双子が生まれる村ってあるのでしょうか? ちょっと不思議というか、興醒めポイントです。

また現地で車を出してくれた男性や彼氏気取りのクラスメートが死んでしまったのは何故でしょう? にもかかわらず、双子の妹は生き残っていたし、その妹の彼氏も呪われて死ぬことはなく、無事に生き延びましたよね。死ぬ人と生き延びる人の差がわかりませんでした。

そして、主人公の祖母が双子で、捨てられた(つまりは殺されかかった)妹が、死なずに何十年も生き延びていたというのが不気味ではありますが、どうやら同じように捨てられた双子の肉を食べて生き延びたような感じでしたね。そんなことで生き延びられるのでしょうか? だとすると、恐ろしいまでの執念です。

そんな気持ちがあるなら、捨てられた場所、牢屋みたいな洞窟から逃げ出した方がよかったのではないかと思うのですが、なんでそれが出来なかったのでしょう? そしてラスト、その祖母の妹は双子の妹に取り憑いてしまっているかのような幕切れは、この手のホラーのお決まりのパターンでしたね。

で、結局のところ、この《村シリーズ》ですが、もうこんなホラーは作るのをやめた方がよいのではないでしょうか? あまりにも子供騙した過ぎると思います。かつてのJホラーはもっと続々と怖くて、大人の鑑賞にも堪えられる作品だったと思うのですが。