罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

棚が減ったときはどうしましょう?

日々の営業回りで時々言われること。

「こんど、ガイブンの棚、減らすことにしたから」

珍しいことではありません。そもそも、海外文学の棚を十分に備えている書店の方が数えるほどしかありませんから(爆)。

それでも、集英社とか文藝春秋とか、河出書房新社とか、筑摩書房とか、そんな売れ筋のガイブンを刊行している出版社の新刊が多少なりとも並んでいるような書店であれば、あたしの勤務先のガイブンだって置いてもらえる可能性があるのではないかと思って営業回りをしているわけです。

それでも、棚一本もあれば御の字で、2段くらいに強引に押し込んでいるような書店が増えているような気もします。

そこまで減ってしまうと、もうちょっと営業のしようもない、というのが率直な感想です。まさにお手上げ状態です。たぶん、そういうお店の文芸担当の方だと、「ライ麦」と「キャッチャー」くらいは置いておかないと、という感覚すら持ってくれていないのかなあ、なんて悲しい気持ちになります。

それくらいまで減らしてしまったのであれば、いっそ海外文学なんて一冊も置かず、その分を日本文学や他の売れるジャンルの本に使う方が書店としては正解なのではないかと思います。

せめて棚一本は海外文学に当てられるお店であれば、その中で他社とのバランスを見つつ、あたしの勤務先の海外文学を数点ほどお薦めできるとは思います。棚一本だと、最大でも10冊から15冊も置いてもらえれば幸せでしょうか?