罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

帯に惑わされるな?

先日刊行された『バウハウスってなあに?』のご案内です。

お陰様で、バウハウス創立100周年ということもあり、それなりに注目もされ、書店での動きも悪くないのですが、ちょっと困ったことも起きています。

それは、この本の体裁がいかにも絵本のようなので、書店で「建築デザイン」や「芸術」のコーナーではなく、「絵本」や「児童書」のコーナーに置かれているところが散見されるのです。

確かに、子供がお父さんと一緒に(今も残っている)バウハウスを訪れ、「ここはなに?」「どんなことをしていたの?」と問いかけ、それにお父さんが答えるという構成なので、子供でも十分に読める内容ではあります。ただ本書自体は、そもそもバウハウスという名前を知っている人が日本では少数派でもあり、その数少ない知っている方はたいていが建築や芸術分野の方だと予想されるので、本書も基本的にはそういった棚に置いて欲しいところなのです。

もちろん、「これは子供の教育にもふさわしい」という観点から、あえて児童書などに置いてみるのは「あり」だと思いますが、あくまでイレギュラーなことだと考えています。特に絵本コーナーは専門出版社の定番商品が幅をきかせていますし、絵本コーナーの担当者でバウハウスを知っている方がどれほどいらっしゃるのかと考えると、「なに、これ? 返品だね」と判断されて仕舞いかねないと危惧しています。

是非は判断しかねますが、本書のオビにははっきりと「絵本」などと書いてあるものですから、ますます児童書や絵本コーナーに行ってしまっているみたいなので、ここは改めて建築デザインや芸術に置いていただきたいと考えてのご案内です。