罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

本を売るのは大変?

一部地域で緊急事態宣言が解除されそうな様子ですね。本屋さんはどうなるのでしょう? いわゆる街の本屋さんは営業しているところもあると聞きますが、大型店はテナントビルに入っていることが多く、そのビルが休業・休館していると書店だけ営業するわけにもいかず、相変わらず多くの書店が閉まったままです。首都圏で見ますと、本屋ってルミネを始めとした駅ビルやデパートに入っているところが多いのだと改めて気づかされます。

さて、こんな状況下、既に何度かこのダイアリーでも書いていますが、直販が伸びています。書店からの問い合わせも多いです。そして注文される商品はもっぱら大学第二語学クラス向けのテキストです。本来なら大学生協や学内の書店で買うはずが、学校へは入れない、授業はオンライン、先生からはテキストを準備するように指示がある、ということで近所の書店に殺到しているようです。こういう商品の場合、ネット書店も決して早くはないですし、果たしていつ届くのか、散々待った挙げ句品切れでしたという回答が来るかも知れないという可能性もあり、却ってリアル書店が使われているようです。

大学生協によっては学生個人に発送しているところもあると聞きますが送料はどうしているのでしょう? それに万単位の学生と必要な教材の組み合わせ(授業の履修の仕方?)を考えると気が遠くなるような作業です。送料をもらっても手間暇を考えると引き合わないのではないかと思ってしまいます。

あたしの勤務先でも郵便振替で代金(と送料)を送ってもらえば発送することはしていますが、郵便局で振り替えをするという行為にいまの学生は慣れていないようです。いまやあらゆるところで電子決済ですから、本気で直販を伸ばすのであれば、このあたりの対策も考えないとなりませんね。

既に直販を大々的にやっている出版社もありますが、これまではなんとなく「本は書店で売る・買う」という前提があるので、出版社が読者に直接販売するのは遠慮がちなところがありましたが、今後は増えてくるかも知れませんね。

しかし、電子決済とかが絡むとセキュリティの問題がありますし、個人情報保護もしっかりやらないとなりません。そして、発送業務を社内でやるとなると、これは人手もそれなりに必要になりますので、人員配置にもかかわってくることでしょう。いきなり来週から始めましょう、ということにはなりませんね。