罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

直接的な理解ではないけれど……

コロナウイルスの流行で香港のデモが一時的に収まっていたと思ったら、先日の国家安全法の成立で再び再燃してしまいました。そして六四を迎えたわけですが、大きな惨事もなくて幸いでした。

そんな中国を非難するアメリカで全国的なデモが起こっています。こちらは白人警官による黒人の殺害に端を発しています。今回このような大きなデモに発展してしまいましたが、この問題自体はもう何度も繰り返されているアメリカ宿痾のようなものだと思います。そして、その国の大統領トランプが自分の発言によって火に油を注ぐようなことになっている事態。

世界を導くべき二大国で、社会の分断が生み出され、憎悪が増幅されていくなんて、なんとも悲しい世界です。日本人の中にはアメリカの人種問題と聞いてもピンと来ない人も意外と多いのかも知れません。アメリカは自由と民主主義の国、誰にでも平等にチャンスが与えられている国だと信じている日本人も少なくないでしょう。

 

そんな人に読んでいただきたいのがこの三冊、『地図になかった世界』『ネバーホーム』『地下鉄道』です。

いずれもかつてのアメリカで黒人のおかれた状況が描かれた作品です。現在のデモやアメリカ社会について書かれているものではありませんが、現在を理解するための前提としてこういう作品を読んでおくのもよいのではないでしょうか?