罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

どうして今ごろ?

BS-TBSで、懐かしいドラマ「女たちの忠臣蔵」が放送されていましたので、時代劇好き、忠臣蔵好きとしては見ないわけにはいきません。

橋田壽賀子原作の、いわゆるTBSホームドラマの伝統を踏まえた、タイトルどおり女性目線の忠臣蔵でした。

ところで、つい最近の朝日新聞天声人語」に、忠臣蔵のストーリーに違和感を感じていたという文章が載っていました。それは先日のアカデミー賞授賞式でウィル・スミスがコメディアンを平手打ちしたことに関連しての文章です。

ウィル・スミスの行為は、理由はともかく暴力は絶対にダメという見方がアメリカでは支配的だそうで、「天声人語」でも、理由はどうあれ浅野内匠頭が暴力に及んだことを問題視している内容でした。

どちらに原因があり、その原因がどれほど理不尽なものであったにせよ、それを解決する手段としての暴力は許されない、というのがいまや世界の潮流となっているのでしょう。たぶんその背景にはウクライナ情勢が影を落としているのではないかとも思います。

そういう国際情勢などがある中で、どうしてTBSは「女たちの忠臣蔵」を放送したのでしょうか。義挙だ美談だと言われているけれど、残された女性たちの哀しみに心を致せ、というメッセージだったのでしょうか?