罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

インビジブルとタイムマシーン

タイトルに「インビジブル」と書きましたが、TBS系のドラマのことではありません。昔々見たことがあるなあ、と思い出した映画のことです。

青春映画「フットルース」で主役を演じたケヴィン・ベーコンが透明人間を演じ得た映画です。透明になったので、彼女(?)の部屋に忍び込んでこっそり覗き見をする、なんてシーンもありました。

この時、ケヴィン・ベーコンは服を着ていないという設定です。透明人間が服を着ていたら、中味のない洋服だけがそこにいるということになってしまうので(そこにいるのがバレてしまうので)服を着ていなかったと思います。この映画を見たからではありませんが、透視術について考えました。

自分に透視術があったら、女の子の服を透視して裸を見たい、なんていうのは男子であれば誰でも想像することだと思います。あたしも学生時代にそんな想像をしなかったわけではありません。

ただ、あたしはそこから更にこんなことを考えたのです、「果たして洋服だけを透視するなんて可能なのだろうか」ということです。透視にも段階があると思うのです。洋服だけを透視するのではなく、皮膚や筋肉、骨、透視にはそれぞれ段階があるのではないか、ということです。

女の子の洋服だけを透視しようとして洋服と一緒に皮膚まで透視してしまったら、理科の教科書に載っていそうな赤々とした筋肉だらけの姿が見えてしまうのでしょうか。それはあまりにもグロテスクで気持ち悪いです。筋肉も透視したら骨だけが目の前に見えるのでしょうか?

そこまで考えていたら、あたしの想像は更に飛躍してしまって、「そもそも服や人体を透視しているのであれば、周囲のものも透視してしまっているのではないか? だとすると、道路も建物も街路樹も、何から何まで透視してしまったら、後は何が残っているのでしょう?」とういことです。何もない無の状態ってイメージできるでしょうか? だって地面もないんですよね? 地球の裏側が見えるどころの騒ぎではないです。地球自体も透視して見えなくなっているのですから。

子供のころのあたしって、そんなことを考えていました。そして最近考えているのはタイムマシンです。

よく「タイムマシンがあったら、いつの時代に行ってみたいですか?」という質問があります。自分の人生の過去や未来に行ってみたい人もいれば、歴史上の事件を確かめに行きたいという人もいるでしょう。あたし自身は昔からタイムマシンにはそれほど興味はなく、自分の過去にも未来にも行ってみたいとは思いません。

ただ、最近考えているのは、たとえばタイムマシンでどこまで過去に遡れるのか、どこまで未来へ行けるのか、ということです。宇宙の始まりと言われるビッグバンよりも古い時間まで行けるのか、あるいは人類や地球が滅亡した後時間までたどり着けるのか、そんなことばかり考えています。少なくともビッグバンの直前や直後にたどり着けたとした場合、どんな場所に放り出されるのでしょう?

そんなことばかり考えているのです。