罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

併売&併読推奨?

新潮選書の『貴族とは何か』を購入しました。タイトルだけですと、どこの国(?)、どの時代(?)、という疑問を持つ方もいらっしゃるかと思いますが、著者名とサブタイトル「ノブレス・オブリージュの光と影」を見れば、英国を中心とした西洋世界の話だということが予想できるのではないでしょうか? 内容紹介には「古代ギリシャから現代イギリスまで、古今東西の貴族の歴史」とありますので、必ずしもイギリスに限らないようです。

ところで「ノブレス・オブリージュ」と聞けば思い出すのがこの一冊、『ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級』です。こちらは、あたしの勤務先の刊行物です。非常に好評で版を重ねた一冊です。

そしてこの二冊、なんとなく正題と副題を入れ替えた、双子の本みたいな感じがしませんか。ドラマ「ダウントン・アビー」や「エマ」などのヒットもあって、英国はじめとした貴族社会に関する関心がここ数年高まっていることから、こういう書籍の刊行が続いているのでしょう。

考えてみますと、庶民出身の女の子とお金持ちの貴公子との身分を超えた恋愛模様というのは、手を替え品を替えて小説やマンガ、ドラマで描かれてきたので、潜在的に貴族や高貴な身分に対する憧れというのがあるのでしょうね。だから、本が出るわけで、そしてそれなりに売れるのでしょう。

というわけで、この二冊、片方を持っている人、読んだことがある人であれば、もう一方にも興味を持つのは間違いないでしょう。刊行の順番からして、既に『ノブレス・オブリージュ』を購入した人が、こんど刊行された『貴族とは何か』に手を伸ばすことになるのではないでしょうか。

新潮選書ですと、そのレーベルでまとめた置かれているかも知れませんが、是非この二冊は一緒に並べていただきたいところです。