罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

今日の配本(23/03/28)

一八世紀の秘密外交史 ロシア専制の起源

カール・マルクス 著/カール・アウグスト・ウィットフォーゲル 序 石井知章。福本勝清 編訳/周雨霏 訳

資本主義の理論的解明に生涯を捧げたマルクス。彼はこの『資本論』に結実する探究の傍ら、1850年代、資本の文明化作用を阻むアジア的社会の研究から、東洋的専制を発見する。他方、クリミア戦争下に構想された本書で、マルクスはロシア的専制の起源に東洋的専制を見た。ロシア社会の専制化は、モンゴル来襲と諸公国の従属、いわゆる「タタールの軛」(1237-1462)によってもたらされたと分析したのである。このため、マルクスの娘、エリノアの手になる本書は歴史の闇に葬られ、とりわけ社会主義圏では一切刊行されなかったという。