罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

今日の配本(23/08/28)

ニュルンベルク裁判1945-46(上)

ジョウ・J・ハイデッカー、ヨハネス・レープ 著/芝健介 監修/森篤史 訳

本書は、1958年にドイツで初版が刊行されて以来、多くの版を重ね、「裁判開廷70周年」に合わせて2015年に新版が刊行された、定番の書だ。著者のハイデッカーは実際に裁判を傍聴し、報道に従事したジャーナリストで、裁判資料・関連文献の研究、関係者への取材を積み重ね、臨場感あふれる筆致で本書を執筆した。本書の特徴は、裁判で明らかになったナチ犯罪の事実を示し、その犯罪が時系列で概説され、犯罪と裁判の双方の全体像を把握することで、裁判自体の意義が理解できること、と言えるだろう。法廷の質疑応答も鮮烈だ。

リスボン大地震 世界を変えた巨大災害

ニコラス・シュラディ 著/山田和子

一国の首都を直撃した大地震として関東大震災とも比較され、地震・火災・津波の複合災害として東日本大震災以降再び注目を集めるリスボン地震の実態と復興の足取りを史料を駆使して鮮やかに描き、社会・経済・科学・思想・宗教など広範囲に及んだ影響をたどる歴史ノンフィクション。