罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

孫子の件で少しばかり補足を

昨日のダイアリーで、中国の古典『孫子』について書きました。

その時に紹介した邦訳の一つ、岩波文庫の『孫子』ですが、実は改訂版が出ています。『新訂 孫子』です。最新の出土資料も使って改訂したものだそうです。中国古典はこの数十年、出土資料によって見直しが盛んですから、孫子もその例に漏れないということですね。

ちなみに、このダイアリーを読んでくださっている方であれば、これもご存じのことかと思いますが、ここまで書いてきた孫子とは呉孫子、呉の国に仕えた孫武のことであり、彼が著した『孫子』のことを指しています。しかしながら、出土文物の中にもう一つの『孫子』が発見されまして、それが『史記』の中にも書かれていた、斉に仕えた孫子、孫臏の著した『孫子』、通称『孫臏兵法』です。

こちらも出土文物の整理、校訂が進み、その成果が中国で刊行されています。わが家の書架にも二冊架蔵していますが、これは同じ書籍が装いを変えて刊行されたものになります。