罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

こんな併売

新刊『ナポレオン戦争 十八世紀の危機から世界大戦へ』の動きがよいです。

ナポレオンの評伝などはたくさんありますし、大革命からナポレオンに至るフランス史を扱った書籍も数え切れないくらいあるでしょう。そんな中で本書がよく売れているのは、サブタイトルからもわかる通り、その着眼点が特異だからではないでしょうか。公式サイトの内容紹介には

ナポレオン戦争を、先行するフランス革命戦争と統一的に把握するという視点を打ち出し(両戦争を「フランス戦争」と呼ぶ)、十八世紀というより長期のスパンで戦争の意味について考える。こうした視座は、ナポレオンの呪縛からこの戦争を解き放つことを意味する。また、最新の知見を動員して、この戦争が初めての「世界大戦」であり、「総力戦」であったことを明らかにする。苛烈な戦闘は、いつしか敵と味方という観念を溶解させ、犠牲者の国籍も、兵士なのか民間人なのかもはっきりしない、戦争の無差別的な性格が眼前に立ち現れる。

とありますが、これが本書の評価されている点だと思います。

ところで、本書一緒に併売したらよさそうな書籍、あたしの勤務先でしたらどんなものがあるでしょうか?

 

誰もが思い当たるのは『コンドルセと〈光〉の世紀 科学から政治へ』と『ロベスピエール』だと思います。王道と言えば王道の選書です。同じ四六判の書籍ですから、横に並んでいても違和感はありません。

でも、ナポレオンとそのバックグランドに着目したときにはこんな書籍は如何でしょう?

 

文庫クセジュの『コルシカ島』と『コルシカ語』です。コルシカ島はナポレオンの生まれ故郷、また若きころのナポレオンはコルシカ訛りを笑われたというエピソードも読んだことがあります。

そんなナポレオンのバックグランドしてのコルシカにスポットをあててみるのも面白いかと思います。