罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

声は届くのでしょうか?

女優・竹内結子の死。

たぶん自殺だろうと言われています。三浦春馬芦名星藤木孝と、名前はすぐに出て来なくとも顔を見ればすぐにわかるような有名人の自殺が続いています。

みずから死を選んだ理由の詮索はいたしません。したってわかりっこないですから。

それよりも、この一連の報道で、多くの場合「悩んでいる方はこちらに電話を」をいうメッセージが出されるのが気になります。「いのちの電話」でしたっけ?

本当に自殺を考えるほど悩んでいる人が、こんな風にテレビを見たりラジオを聴いたりして「あっ、電話してみよう」なんて思うのでしょうか? そもそもテレビを見たりラジオを聴いたりしているのかもわかりません。

あるいは「周囲に悩んでいる人がいたら声をかけてあげましょう」というメッセージも言われていますが、そんなこと傍か見てわかるものでしょうか?

となると、テレビやラジオで伝えられるあのメッセージって、いったい誰に向けたものなのだろうかと考えてしまいます。もちろん、百人や千人に一人でも、このメッセージで自殺を思い留まったり、そこへ電話して相談したみたり、周囲の人に苦悩を吐露して救われる人がいれば御の字なのかも知れませんが。

かといって、自殺を考えるほど思い詰めている人に届く効果的な救いの手にどんなものがあるのか、あたしには到底思いつきませんが。