罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

中東地域を俯瞰する?

筑摩書房の新刊『中東全史  イスラーム世界の二千年』を手に入れて思い出したのが、こちらの上下本『アラブ500年史 オスマン帝国支配から「アラブ革命」まで』です。

500年と2000年。ちくま学芸文庫の方が網羅している歴史が長いですが、やはり視点も異なりますし、興味ある方はどちらも読むことになるのでしょうね。

ちなみに『500年史』の方はサブタイトルにあるようにオスマン帝国以降の500年を扱っていまして、オスマン帝国については、同著者による『オスマン帝国の崩壊 中東における第一次世界大戦』という本も刊行されていますので、この地域の歴史に興味がある方には、やはり必読の文献でしょう。

ところで、筑摩書房ですが、実は同時期に新書で『中東政治入門』なんていう一冊を刊行しているんですよね。いきなりの中東ブーム(?)、いったいどうしてしまったのでしょう?

まあ、中東情勢は日本にとってはやや縁遠いものがありますが、常に国際政治の注目を集めている地域ですから、日本でももっと関心を持たれてもよいはずですし、関連書籍がもっと売れてもよいはず何ですけどね。

特に、アルカイダイスラムといった紛争をメインに扱ったものではなく、客観的な歴史、もっと地域全体を俯瞰できるような書籍が増えてくるといいなあと思います。いや、あたしが知らないだけで、日本でもそれなりに出ているのかもしれませんが。

そう言えば、文庫クセジュに『近東の地政学 イスラエル、パレスチナ、近隣のアラブ諸国』なんていう一冊もありました。