罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

三部作、完結

今月末に配本になる『まっぷたつの子爵』は、イタロ・カルヴィーノの《我々の祖先》三部作の掉尾を飾る一冊です。

ここまで、Uブックスでは『不在の騎士』『木のぼり男爵』の二冊を出してきまして、三冊を並べると右の写真のようになります。

この三冊は三部作ということで、通常のUブックスとは少しデザインを変え、この三冊を是非揃えてくださいという感じになっております。書店店頭でも一際目立つ装丁になっているのではないでしょうか? 個人的にも気に入っています。

そして、今回の『まっぷたつの子爵』には、《我々の祖先》三部作執筆の経緯を作者みずからが解説したエッセー「一九六〇年の覚書き」を、本邦初訳で収録しています。こちらも是非お愉しみください。

ところで、海外文学の読者の中には、「あれ、『まっぷたつの子爵』って岩波文庫でも出ていなかったっけ?」と思われた方も多いはず。

はい、そのとおり、岩波文庫でも現役です。ただし、岩波文庫版とUブックス版とでは訳者が異なります。今回のUブックス版は新訳になります。どちらの訳文が好みかは読者にお任せしますが、三部作が揃うのはUブックスになりますので、三冊まとめてよろしくお願いします。