罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

中国人民に告ぐ

祥伝社黄金文庫『中国人民に告ぐ』(金文学著)を読みました。


かつて大ヒットした『醜い中国人』などと同系統の作品です。ですから、そういったものを数多く読んでいる人には、それほど新味もないかなと思います。取り立てて、最近の中国事情を反映したと思えるような記事もないですし、これを読んだからといって中国ビジネスにすぐ益するような部分があるわけでもないですし。


著者の金文学氏は在日朝鮮系中国人とのことですが、朝鮮・韓国との比較というのも、本文中では目立っては出てきません。また日本の風俗・習慣などについての考察も、ちょっと違うんじゃない、と首をかしげてしまうところもあります。


ただ、このような社会現象などの考察は、自分が普段接している社会や友人関係、見ているテレビ、読んでいる書物に影響されること大でしょうから、一概に金氏が間違っていると決めつけることは慎まなければならないでしょう。個人的には、もう少し今の中国、今の日本の断面を描いてくれるとうれしかったと思います。