罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

友好とは単純なことではありませんね

東京国立博物館で開催中の「顔真卿展」に関して、台湾新聞にこんな記事が載っていました。

左側は、開幕セレモニーの様子を伝えるもので、台湾故宮博物院から貸し出された宝物のことにも触れつつ、極めて友好ムード漂う記事になっています。

その一方で右側の記事は、大陸、台湾双方から国宝の貸し出しに対して疑義が呈されていると伝えています。このあたり、文物の海外、館外貸し出しについてはそれぞれの博物館や政府で法令が作られていて、それに則っているのだと思います。しかし、そこに政治的な思惑、外向的な駆け引きも絡むことが多々あるのも予想されます。

逆の立場で考えてみた場合、東京国立博物館が所蔵している伝世の名宝があったとします。それこそ常設展はおろか特別展で陳列されることもほぼないような逸品が海外の博物館に貸し出されたとしたらどう思うでしょうか?

外国人に見せる前に自分のところの国民に見せろ、と思うのは当然のことだと思います。日本人としては「よくぞ請来してくれた」と喜びたいところですが、一筋縄ではいかない問題なのでしょうね。

しかし、そんなことよりも、せっかくそんな紆余曲折がありながらも日本に来ているのですから、顔真卿展、早いとこ見に行かないとなりませんね!