罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

あたしが子供のころ、沖縄はまだ日本ではなかったのです

沖縄の本土復帰50年です。

当時も現在も、様々な意見があるのは承知していますが、あたしにはそれについて語るだけの材料がありません。基地問題に限らず、沖縄の人が感じてきた差別感など、本土の人間があまりにも無頓着だったということは自覚しております。

ささやかではありますが、まずは興味を持つ、知ろうと思うことが肝心なのではないでしょうか。あたしの勤務先では『沖縄語の入門 たのしいウチナーグチ』『沖縄語をさかのぼる』というヒット商品もありますので、こういう本を更に売り伸ばすことが少しでも相互理解に繋がるのだと思っています。

4月下旬に発行された『人文会ニュース』140号でも、巻頭の「15分で読む」は「沖縄〈復帰〉50年を考える」です。PDF版が公開されていますので、是非ご一読ください。

さて正直なところ、昨今の中国の海洋進出、北朝鮮のミサイル発射という東アジア情勢を考えたときに、本土の人間の大多数は沖縄に米軍基地があることのありがたみを実感しているのではないかと思います。もちろん基地があるから攻撃の標的になるのだ、という意見も理解できますし、そもそも平和友好に軍事力は不要だという考え方もわかります。

でも、結局なんとなくそんな風に思っているだけで、多くの日本人は深くは考えていないのでしょう、あたしもですが。もし沖縄から米軍が撤退して、米軍基地が日本に(沖縄に?)返還された場合、こんどはそこに自衛隊が駐留することになるのでしょうか、あるいは大規模な宅地造成、リゾート開発などが行なわれるのでしょうか?

一部の政治家は日本と日本国民を守るためなどと声高に主張していますが、旧日本軍は沖縄でも満洲でも日本人(民間人)を見捨てて真っ先に逃げ出したんですよね。日本や日本人を守るって、どういうことなのでしょう。