罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

叢書というのは、こういうものです

昨日のダイアリーで、《新編諸子集成》と言われても中国学を専攻していなかった人には意味不明ではないかと書きました。ところが、その同じダイアリーで《二十四史》にも言及していまして、これもわからなさでは同じことではなかったでしょうか?

二十四史》とは中国の正史、二十四種類を網羅した叢書でして、歴史の国・中国について学ぶのであれば、哲学だろうと文学だろうとまずは参照すべき基本資料になります。それが中華書局から手ごろな形で刊行されているのです。

図書館で閲覧すればよいのかもしれませんが、あたしのような自宅通学生には大学までの距離と時間がそれなりにかかってしまうので、よく使う資料であれば手元に置いておきたくなります。学部時代は古代が専攻だったので前四史と呼ばれる『史記』『漢書』『後漢書』『三国志』くらいしか所蔵していませんでしたが、大学院時代には二十四史を全部揃える羽目になりました。

その《二十四史》は『史記』から『明史』までの二十四種類を指すわけですが、あたしが学生時代に清代を扱う『清史稿』が発売になりました。これで《二十五史》という呼び方もできました。『新元史』を加えて《二十六史》という言い方もあったように記憶しています。

さて『清史稿』というタイトルからもわかるとおり、いずれ正式な『清史』が発売になると思うのですが、あたしが学生時代には発売されず、その後は中国の出版事情を追っていないので、正真正銘の『清史』が出来上がって刊行されたのか、あたしは知りません。

この《二十四史》には、全部にではないのかも知れませんが、人名索引や地名索引が出ているものもあります。あたしも見つけたときには買っておきました。自宅に《二十四史》を所蔵していなくても、索引があれば図書館へ行って調べるときのアタリを付けられますので、これは学部生時代から集めるようにしていました。

昨日ダイアリーでもう一つ挙げていたのが《十三経清人注疏》でしたね。これは《新編諸子集成》が、主に思想家の著作を網羅した叢書だったのに対し、儒教の経典の注釈書、それも清朝考証学の成果とも言える注釈書を集めた叢書です。

《新編諸子集成》が、あたしの記憶では学部時代にはかなり刊行されていたのに対し、《十三経清人注疏》は入学してしばらく経ってから刊行がスタートした叢書です。そのため、いま現在どれだけ刊行されているのかはわかりませんが、あたしが架蔵しているのはご覧のような分量に留まっています。まあ、その代わりと言っては何ですが、当時『皇清経解』正続編が刊行されたので、そちらを買い求めたりしましたが……(汗)

あたしの専攻が古代思想でしたので、主に哲学思想、歴史方面の書籍はかなり買い集めましたが、文学方面はやや手薄です。それでも重要なものは手元に持っていなければと思い集めたのが左の写真です。

これらも叢書として刊行されていましたが、さすがにすべてを揃えようとは思わず、上にも述べたように必要なもの、有名なものだけ買っておきました。