罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

鉄のカーテン

営業回りの途次、こんな本を見かけました。

鉄のカーテンをこじあけろ NATO拡大に奔走した米・ポーランドのスパイたち』です。

なんとなく見覚え、聞き覚えのあるタイトルだなあと思ったのですが、それはこちらです。

あたしの勤務先から刊行されている『鉄のカーテン(上) 東欧の壊滅1944-56』『鉄のカーテン(下) 東欧の壊滅1944-56』でした。同じ「鉄のカーテン」でも、内容はかなり異なるようです。

鉄のカーテンをこじあけろ』は、内容紹介によりますと

1988年、ポーランドのスパイは米国との連携を模索し始め、期せずして同じころCIAもポーランド諜報部のドアをたたいた。機密解除文書、政治家、スパイへのインタビューを元にありえない同盟締結、NATO拡大の過程を詳細に描き出す。

といったもの。東側が総崩れとなり、ベルリンの壁も崩壊するころを扱ったもののようです。それに対して『鉄のカーテン(上・下)』は

第二次世界大戦終結から、スターリンの死、ハンガリー革命に至るまでの時代に、ソ連がいかに東欧諸国(主に東独、ポーランドハンガリー)を勢力下に収め、支配していったのか、そして各国がいかに受容し、忌避し、抵抗していったのか、その実態をテーマ毎に論じた力作だ。

となっていますので、鉄のカーテンが作られたころの話になっています。読み比べるというよりは米独してみるのがよい作品なのではないでしょうか?