罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

重なりがち?

あたしの勤務先の『インド外交の流儀』がお陰様で好調です。ウクライナ侵攻をめぐるロシアと西側の角逐において、インドの立ち位置が注目されていることもその一因だと思います。

そして同書の訳者、笠井亮平さんの著書『第三の大国 インドの思考』が文春新書から発売されました。新書なので、手軽に手に取ってもらえそうですね。副題は「激突する「一帯一路」と「インド太平洋」」なので、昨今の国際情勢におけるインドの立場がメインの書籍のようですね。

そんな思いを抱きながら新書のコーナーを眺めていたら、こんな本が目に留まりました。中公新書ラクレの『インドの正体』です。こちらのサブタイトルは「「未来の大国」の虚と実」です。まだまだインドってどんな国なのかつかみづらい、と思っている方への一冊なのでしょうか。

いずれにせよ、新書の新刊でインドに関する本が二冊も出ているなんて、インドに対する注目度の高まりが感じられます。ただ、新書というのは時勢とは無関係の学術的なものも数多く出ていますが、どちらかと言えば、いま世間で関心を持たれているものがスピーディーに刊行されるイメージです。

ということなのでしょうか、『ポストイクメンの男性育児』と『「イクメン」を疑え!』という二冊が並んでいるのも目に留まりました。キーワードは「イクメン」ですね。

イクメン」という言葉は、既に定着していると思いますので、単にイクメンの本であるならば「いまさら」感が出てしまったと思います。ただ、この両書はそこから一歩進めて、「疑え」とか「ポストイクメン」といった、次のステップへ進んでいるような著作のようです。あたしのように、結婚すら無理そうな人間には育児など夢のまた夢ではありますが、ちょっと気になります。