罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

落ち着かない一日

京阪神ツアーの三日目。

ホテルへ出て駅へ向かい、改札口の前まで来てポケットに定期入れが入っていないことに気づきました。ホテルはすぐ目の前なので慌てて部屋に戻りました。ところが部屋の中に定期入れが見当たりません。昨晩、ホテルの近くのコンビニに買い物に行ったとき定期、つまりSuicaで代金を払ったので、もしかして商品をエコバッグに入れているときに定期入れを忘れてきてしまったのか、と思ってそのコンビニへ向かいました。

レジで定期入れの忘れ物はなかったか聞いたのですが、そういうものは届いていないとのこと。こちらはますますテンパってしまい、とにかく関西の交通系カードPiTaPaがあるので、今日はこれを使って移動しようと決め、再び駅に向かいました。ただ、その途中で、昨晩はコンビニから戻って定期入れを部屋で触っていたことを思い出し、今日の外回りが終わって部屋に戻ったら、もう一度よく探してみようと心に決め、一日の仕事に向かいました。

しかし、そうは言っても定期が見つかっていない状況に変わりはないので、なんとなく落ち着きません。なんとなくどころか、何をしていても定期入れのことが気になって仕方ありません。なにせ、つい先日半年分の通勤定期を買ったばかり、なおかつこの京阪神ツアーのために一万円近いチャージをしてあった定期がなくなったわけですから。もちろん二日間の移動でチャージの残額はもっと減っていますが、それでも拾った人がちょっと買い物するくらいの金額は残っています。定期券以外に入っていた貴重品と言えば運転免許証、それとガソリンスタンドで使っているエネオスカードくらいです。

とにかくそれらがまるごとなくなってしまったのです。今日は一日、ホテルの部屋の中にあるはず、きっとあるんだと自分に言い聞かせながらの仕事でした。そして、そんな不安を抱えた仕事を終えてホテルの部屋に帰宅すると、ルームメイキングされた部屋のベッドの上に、きれいに畳まれた寝間着と一緒に定期入れが置いてあるではないですか! 係の人がベッドメイクの時に毛布か何かの間に紛れ込んでいたのを見つけてくれたのでしょう。

もう舞い上がりたくなるような心地です。一日の疲れが吹っ飛びました。これで安心して最終日の仕事に打ち込めます。