罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

学んだことがないのです

岩波新書で刊行されていたシリーズ《歴史総合を学ぶ》の第三巻『世界史とは何か 「歴史実践」のために』が刊行されました。これで全三巻が完結になります。

第一巻『世界史の考え方』の刊行が2022年3月、第二巻『歴史像を伝える 「歴史叙述」と「歴史実践」』の刊行が2022年6月でしたので、この第三巻が出るまでがちょっと時間がかかったわけですね。でもなんとか完結したことをまずは喜びたいところです。

ところで「歴史総合」って何でしょう? どうやら高校の教科の一つらしいですが、日本史や世界史とは何が違うのでしょうか。あたしが学生だったころには存在しなかった教科なのでまるでわかりません。

文科省の指導要領のページを見ますと次のように書いてあります。

社会的事象の歴史的な見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりする活動を通して,広い視野に立ち,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の有為な形成者に必要な公民としての資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

これは一番初めに書いてある「目標」です。その後にもいろいろ書いてありますが、ざっと見たところ近現代史を中心に学ぶ教科のようです。それもただ単に明治維新以降の日本史だとか、19世紀後半以降の世界史といった形ではなく、もちろんそれらも踏まえつつ日本史と世界史を繋げ、さらに世界の様々な地域のことも大きな歴史の流れの中に位置付けて学ぶ、とったことのようです。

あたしが受験生だったころにも、日本史の授業は明治維新までしかできなかった、といった声は聞かれていて、高校三年のころに通っていた駿台予備学校では江戸時代までを教える日本史と明治維新以降を教える日本史という、二つの日本史の授業が開かれていました。この「歴史総合」はそんな風に時代を区切るだけでなく、横のつながりも意識しながら近現代史を集中的に学ぶ教科なのでしょう。

ところで、あたしが高校生のころから既に40年くらいたっています。さすがにこの十年、二十年のことは教科書で取り上げていないでしょうけど、あたしが子供のころの時代は既に歴史の教科書に載っているのでしょうね。