罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

どういう予行演習なのか?

母が転んで腕の骨にひびが入ったと書きましたが、現在はギブスをしています。利き腕とは逆とはいえ、何をするにも片手ではうまくいかず、急遽あたしが家事を分担することになりました。

実は、あたしは生まれてこの方、一人暮らしをしたことがなく、身の回りの世話はすべて母親に任せっきりでした。それではいけないとわかってはいても、一方で母のボケ防止、軽い運動代わりに家事をやってもらうのは、それはそれでよいのではないかと思っていました。

その一方、母が健康なうちはよいとして、この後、母が寝たきりになったらどうしよう、あるいは母が亡くなって、本当に一人になったらどうしよう、という思いもこの数年は強くなってきました。いまさら生涯の伴侶を見つけるなんて無理だと思いますし、ここまで勝手気ままに活きてきて、いまさら赤の他人と暮らすなんて考えられません。

というわけで、少しずつ家事をこなせるようにならなければと思っていて、母ともしばしばそんな話をしていた矢先の今回のアクシデントでした。今回の家事分担が、母を介護するようになった場合のシミュレーションなのか、あるいは母の没後に独居老人となったときの予行演習なのか、まだわかりませんが、いまはそんな気持ちです。