罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

9月入学とか不協和音とか

ローマ帝国の崩壊』の新装版です。

どっちが新装版なのか、って。それは右側です。左側が旧版になります。「新装版」というときに、あまり装丁を変えずに出す場合もあれば、ガラッと変えてしまう場合もあります。その時々、本の性格や旧版の売れ方などから決めるわけですが、今回は少し変えてみて、という感じでしょうか。

ローマ帝国の本ですから、別にあたしの勤務先に限らず、他社の本を見回してみても、なんとなく似たようなテイストになってしまうのは致し方ないところでしょうし、逆にそうであるからこそローマ帝国ファンがしっかり見つけてくれるというメリットもあります。ただ、出版社側の在庫管理の見地からですと、パッと見て違いがすぐにわかるようでないと、旧版と新版を取り違えてしまう恐れがあるので、装丁はわかりやすく買えて欲しいところです。

さて、話は変わって、今朝の朝日新聞の社説です。大学の9月入学に関する論説が載っていました。

9月入学は、コロナ禍が始まって多くの学校が休校措置を執るようになった春先に一度議論が起こりましたが、その後は小中学校の授業も再開し、なんとなく尻すぼみの感があります。しかし、大学に関しては前期はすべてオンライン授業というところがほとんどで、ここへ来て後期もオンラインに決めたところが増えています。

新入生がリアルな授業を一度も受けていない、クラスメートも知らない、サークルなどにも入れない、つまり学生生活を謳歌できていないという由々しき問題が解決されずに残っています。来年度にリアルな授業が復活できたとしても、果たしてスムーズな学生生活を送れるのでしょうか? 心のケアが必要ではないかと思います。

そういう議論とは別個に、大学の9月入学については賛否あると思いますが、メリット・デメリットを含めてしっかり時間をかけて議論すべきだと思います。そんな議論の参考に、『人文会ニュース』の最新号で橋爪大三郎先生に9月入学について寄稿していただきました。

またまた朝日新聞です。香港の活動家・周庭さんが欅坂46の「不協和音」の歌詞に励まされたという発言から、この楽曲がまたまた注目されているということです。

周庭さんは日本のアイドル好きでもあり、前々から欅坂46の「不協和音」を気に入っていたことは、ちくま新書の新刊『香港とは何か』でも触れられているところです。決して今回の逮捕劇で初めて言ったわけではないようです。もちろん、日本のマスコミを通じて日本へ発信するために、リップサービス的な要素がないとは言えませんが、それでも日本のアイドルの曲を取り上げてくれるのはファンとしては嬉しいことですね。

ただ、哀しいことに、この曲を歌っていた欅坂46が近々活動休止になってしまうことです。事実上の解散と言ってよいでしょう。香港の民主主義よりも先に欅坂46が終焉を迎えることになるとは皮肉なものです。