罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

中国人の愛国心

中国人の愛国心−日本人とは違う5つの思考回路読了。


中国人が日本文化に憧れ親近感を持ちつつも、親しくなったが故に、自分たちの生活にかなり浸透してきたが故に、逆に反発心を持ってしまうということはよく理解できました。


また、例えば反日デモにおいて、日本が領事館などへの投石・破壊に対する謝罪と賠償を求めたのは対症療法的であり、そもそも原因を作ったのは日本であると中国が主張して謝罪しないのは枝葉ではなく根本からの解決を求めているからだ、という著者の解説はそれはそれでわかるのです。


ただ、自国にある外交施設に対していかなる理由があるにせよ破壊行為に及んだというのは、国際的に見て許されない行為だと思います。日本と中国の間だけならば上述の理屈で通るのでしょうが、果たして国際的には通用するのだろうか、という疑問が起こります。残念ながら著者はそれについては何も答えてくれていません。


本書は、この春の中国の反日デモの数ヶ月前に刊行された前著に引き続き、そのデモを受けて、著者なりの解説を試みたのが本書です。ただ、問題が複雑なだけに、ストレートな解説・回答にはなっていません。結局は自分で考え行動するしかないのでしょう。