罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

日本の漢字

日本の漢字』読了。


タイトルこそ<日本の…>ですが、漢字全般について書かれていますので、漢字マニアには興味深く読めるでしょう。


漢字の日本独自の発達・諸相といったものを幅広く紹介していますが、焦点が何なのか、ちょっとぼやけ気味という漢字もします。取り立てて大きな問題提起というのが全般を通じてないからなのかもしれません(あたしが見つけられなかっただけ?)。


否、幅広く、様々な話題を、わかりやすく丁寧に書いているので、そういう印象を受けるのかもしれません。


漢字は古来多くの人が研究をしてきましたし、現在もそれは続いています。コンピュータや携帯電話など文字をめぐる環境もめまぐるしく変わっていますので、漢字に関する書籍は過激なもの、キワモノも含め数多く出版されています。そんな中にあって本書は、非常に静かな本です。それだけに、うんうんと頷かされることも多く、素直に読める本です。