罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

ガイサンシー(蓋山西)とその姉妹たち


『ガイサンシーとその姉妹たち』読了。

中国で旧日本軍がレイプや虐殺などを行なっていたということは知っています。そのようなことは決してなかったと言う旧軍人の証言もありますが、そういうことをしなかった人もいるでしょうから,それを否定するつもりはありません。ただ、普通に考えれば、日本軍でなくとも,古今東西、戦争において攻めている側は攻められている側をなぶりものにした例には事欠かず、日本軍だって同じだったと思います。

たまたま勇気を持って告発する女性が山西省に多かったということで,山西省における被害の実態は本書によってかなり明らかになったと思います.そのほか、日本軍が駐留、進駐した地域では多かれ少なかれこうした被害、事実はあったのだろうと容易に想像できます。

個人的には、そうした日本人のひどい行ないの影に見え隠れする中国人の姿が印象的です。彼らも自分が生きるためにはやむを得なかったとは思いますが、自分の妻や娘を敵軍に差し出すときの気持ちはどんなものだったのでしょう? そういう人たちを告発や譴責するのではなく、素直に当時の心境を聞いてみたいと思います。