罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

待っている人がいるから……

このゴールデンウィーク、あたしの勤務先は暦どおりです。特に時短営業をするとか、休業にするとか、そういう措置は執らず、各自で休みたければ有給休暇を取ってください、というスタンスです。危機管理、感染防止の観点からそれはどうなのか、という意見もあるかも知れませんが、それはほとんどの企業に言えることであり、あたしの勤務先が特別ブラックだとは思いません。

年間5日は有給休暇を消化するように法律が変わったので、この機会に少しでも消化が進むようにと思っているの面はあるかも知れませんが、現状ではどれだけ取得が進むのか、個人的には疑問です。

さて、これは多くのサラリーマンには理解してもらえると思いますが、休みが続くと、その前後は仕事がたまるので、むしろ休めなくなる、休暇が取りづらくなるものです。もちろん、他の人に仕事を代わってもらったり肩代わりしてもらって休みを取ることもできなくはないですが、やはり多くの人は遠慮がちになり、自分の仕事は自分が出社してやらなければと考えてしまいがちです。

それならリモートワークは、と言われそうですね。なんで出社するのかと言えば、出勤しなければできないことが多いからです。

あたしの勤務先で言いますと、毎日毎日の出荷があります。これがなくなると売り上げダウンですから死活問題、ここを止めるわけにはいきません。データではなくモノを扱っている業種はどこも同じでしょう。

でも大手企業などはゴールデンウィークはまるまる休みにして、その間の受注は連休明けの出荷になりますと宣言しているところもあります。あたしの勤務先だって覚悟を決めて、そうすることも可能なはずだと思います。

ただその一方で、大学の語学テキストの注文、特に授業が始まってすぐにでも手に入れたい学生さんからの注文にはできるだけ迅速に答えてあげたいとも思います。本来なら、よほどのことがない限り大学内の書店に授業用のテキストは必要な数が置いてあり、そこで買えばよいわけですが、昨年に引き続きリモートでの受講となった学校も多いようで、そうなるとテキストを買いに大学へ行くこともできません。大学によっては、学生ごとの履修状況に応じて、学生の個人宅へテキストを配送するサービスを行なっているところもあるようですが、自分で本屋に買いに行かせる大学もあるようなので、そうなると学生は焦ってしまうでしょう。

語学テキストの場合だけなのか、あるいは他の教科でも多いのかわかりませんが、あたしが感じるのは、大学生協や本屋を通すのではなく、先生自身が教科書を学生の人数分、直接うちへ注文してくるケースが意外と多いなあということです。そうなると戦線自身が授業で集金して振り込みなどをしなければならないので、それなりに面倒だと思うのですが、そういう先生が少なからずいます。

ただし、これは対面授業が行なわれるという前提でのことであり、リモートになれば教科書を配ることもできなければテキスト代を集金することもできません。そうなると先生としては「ネットか近所の本屋で買ってきて」ということになり、焦った学生さんからの注文が増えることになるのだと思います。

早いところ、すべて電子教科書に置き換われば、こういう問題は解消されるのでしょうが、電子教科書の教育効果って実際のところどうなのでしょうね?