罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

本って実はとっても安上がりな娯楽なんだと思う

朝日新聞の「声」欄にこんな投書が載っていました。

本が高価だと見出しにあるので読んでみると、新聞で紹介されていたり広告に載っていたりする書籍の価格が軒並み2000円以上であるという訴えです。

うーん、最近では文庫や新書も高くなり、単行本であれば、2000円以下のものを探す方が大変だというのが半ば常識化しているあたしのような業界人には目から鱗であると共に、世間一般の方の感覚を知るよい機会でもありました。

しかし、この数十年、日本は物価が上がらず、そして給与も上がらず、そのために世界の潮流から隔たってしまっているわけです。モノにはそれにふさわしい正当な対価を払うべきだという感覚がもっと広く行き渡ればよいとも思います。

それにしても、この投書にもあるように、本って他の人と楽しめるだけでなく、他の娯楽に比べて楽しめる時間も長いです。2000円以上する小説を読むのに5時間かかったとすれば、一時間400円です。せいぜい二時間程度しか楽しめない映画に比べるとはるかに安上がり、割安なレジャーではないでしょうか?