罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

近所で探すのが一番よいのでしょうか?

わが家の書架、このダイアリーでも何度かご紹介していますね。最近は主に文庫や新書の棚を中心にとって載せていたような気もしますが、わが家の書架で半分近いスペースを占めているのが中国からの輸入書、いわゆる中文書です。「中文書」と書いて「ちゅうぶんしょ」と読みます。

右の写真は、中国史をやる人にとっては基本中の基本、中華書局の点校本二十四史(評点本二十四史)です。『史記』から『清史稿』まで、いくつかは『人名索引』や『地名索引』も架蔵しています。中国史のみならず、中国学を学ぶ人なら必ずお世話になる叢書ですね。

歴史関係では、この他に『資治通鑑』もありますし、『武英殿本二十四史』の影印本も架蔵しています。『国語』や『戦国策』なども注釈本も含めいくつか持っていますし、あたしの専攻が秦漢時代だったので、『史記』については何種類もの現代中国語訳や注釈本を架蔵しています。

そして思想史を専門としていたので、諸子百家に関するものも数多く架蔵していまして、そこからの流れで漢代思想、魏晋玄学などもある程度はフォローしています。

思想と言えば外せないのは『十三経注疏』で、これも古典の影印本から「清人十三経注疏」なども一通り揃えています。『皇清経解』や『通志堂経解』も架蔵しているので、儒学関係のたいていの文献は自宅にいながらにして原典に当たることができます。

もちろん工具書類も諸橋『大漢和辞典』や『中国学芸大事典』もありますし、学習用の漢和辞典も10種類くらいは所持しているはずです。

と、こんな風に本をたくさん持っていることを自慢したいわけではなく、そろそろこれらの本をどうしたらよいのかを本気で考えないといけない年齢にさしかかったのではないかと最近思っているのです。

そもそもこんなに本を自宅に持つようになったのには理由がありまして、学生時代、特に一年生、二年生の時は大学まで片道一時間半かかっていたので、図書館で遅くまで調べものをするには不便でしたし、その当時の一、二年生キャンパスには研究室もなく、図書館の蔵書も調べものをするには貧弱すぎました。となると必然的に自宅である程度の調べものはできるようにしないと話にならない、というわけで本が徐々に増えていってしまったのです。まあ、大学院まで進む学生であれば、これくらいは普通のボリュームだと思うのですが……

で、話は戻ってこれらの中文書、『大漢和辞典』などは日本の書籍ですが、これらを引っくるめて中国関係の書籍をどうしたらよいものでしょう? 近所に中国史を学んでいる大学生、あるいはこれから学ぼうと考えている高校生は住んでいないものでしょうか? いたら全部差し上げたいと思っているのです。メルカリに売っても、どうせ二束三文にしかならないでしょうし、だったら有効活用してくれる人に譲った方が本も喜ぶのではないかと思うのですよね。