罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

メタバースは必要だったのでしょうか?

WOWOWで放送された映画「忌怪島」を鑑賞。この作品って、「村」三部作に続くJホラーの作品らしいです。ということは、この後も「○○島」というの作品が続くのでしょうか? 「村」も三つとも見ていますが、もうそろそろ打ち止めにした方がよいのではないか、という気がします。

で、本作です。ネット上に数々の考察と感想が上がっています。あたしはもちろん小説を読んではいませんので、小説版と映画版の違いなどを語っているものはとても興味深く読みました。ただこの作品の最大のウリであると思われる仮想空間、これって必要だったのかなあ、という思いが残ります。

イマジョの呪いということで全編を作っても、それなりに成立したのではなかったかと思います。小説ではどうなっていたのかわかりませんが、仮想空間実験に参加している登場人物たちが全員、イマジョやこの島と何らかの関係があることが徐々に明らかにされていく、という伏線を回収しつつ仮想空間などは持ち出さなくともホラーとして面白いものが作れたのではないかと思うのです。

もちろん多くの考察でも触れられているように、どの場面が現実で、どの場面が仮想空間の中なのかわからなくして見るものを混乱させるというテクニックはあると思いますが、むしろそのせいで呪いの怖さがパワーダウンしているようにも思います。主人公たちが現実世界に戻ってこられない、というよりも現実では死んでいて仮想空間の中で生き続けている、というっすとーリーの方が今の若い方たちにはむしろリアルなのでしょうか。

最終的な感想としては、主人公たちのキャラがいまひとつ立っていないなあという残念感はおくとして、當真あみがとても可愛かったです。ただ、彼女が何故シゲじいにやさしく接していたのか、そのあたりの背景もわからずじまいでしたね。エンディングの入水も含めて。