罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

紅衣小女孩

WOWOWで放送された台湾映画「紅い服の少女 第一章 神隠し」「紅い服の少女 第二章 真実」の2本を視聴しました。

第一章は、祖母と暮らす青年とその恋人(ラジオDJ)が主人公で、近所に住む人も含め次から次へと失踪し、一人が戻ってくると別の一人がいなくなるというパターンでした。こういったホラーの常道で、恋人の男性がいなくなり、それを助けるために女性が奮闘するというストーリーでした。

全体の設定、物語の背景がややわかりにくいということと、台湾土着の魔神仔に関する知識や思い入れが薄いので、怖さもあまり感じられませんでした。何らかの悪霊に愛する人が連れて行かれてしまうというのはホラーではよくあるパターンですから。

続いて第二章。第一章では主人公家族は再び平穏な日々を取り戻し、ちょっと壊れかけていたような恋人同士の仲もいい感じに収まって大団円、ハッピーエンドでした。ところが、何の説明もなく第一章の家族の悲劇が描かれています。何がどうなったのかわからない、つまり第一章では大団円に見えたけど、結局、悪霊(というか魔神仔)からは逃れられなかったということなのでしょうか?

そして第二章のタイトルは「真実」、「紅い服の少女」とは何者なのかが明かされます。とはいえ、これもそれほど特異なことではなく、悲しい事故の犠牲者です。そこまではよいのですが、ペットセメタリーよろしく、死者復活の儀式なんかを母親がやってしまったがために娘はおぞましい悪霊(魔神仔)になってしまったようです。このあたりの進み方、台湾の人であればすんなり飲み込めるし、恐怖を感じるのでしょうけど、外国人であるあたしにはやはり少々ピンと来ないです。

かといって、外国人向けに説明的な場面を多くしたら映画自体が白けてしまうでしょうし、難しいところですね。ところで、こんどこそ魔神仔のいたずら(というか、呪いというか、何と言ったらよいのでしょう?)はこれで終わったのでしょうか? もし魔神仔の本体が別にいて、たまたま事故で亡くなった少女を利用しただけであれば、きっと終わりませんよね? 台湾では第三章が作られたのでしょうか?