罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

外国語のカタカナ表記は難しい

香港で民主活動家らが次々に逮捕されている件。

この件について言いたいことはいくらでもありますが、今回はそうではなく、とある言葉の翻訳について気になったので書いてみたいと思います。

それは「蘋果日報」です。香港の有名な新聞で、英文名は「Apple Daily」です。

中国語を勉強している人であれば「蘋果」が「リンゴ」だということは初級者でもわかると思うので、「蘋果日報」を「アップル・デイリー」と言われても違和感なく理解できると思います。

ところが、このニュースを報じていた朝日新聞紙面では「リンゴ日報」と表記されていました。うーん、ちょっと違和感を感じるものの、確かに「蘋果日報」を日本語にしようと思ったら「日報」は日本でも新聞の名称として使うのでそのままでもよいとして、「蘋果」の部分を和訳して「リンゴ日報」になってしまうのか……

あたしはカタカナで英文の「アップル・デイリー」でよいのではないかと思っていましたが、実直に「蘋果日報」から日本語にしようとしたのですね。他の新聞やメディアではどのように報じているのでしょう、ちょっと気になります。

中国語が多少なりともわかるからこその違和感としては、この一年くらいしばしばに本のニュースでも取り上げられている「ファーウェイ」です。アメリカの制裁措置を受けていたり、にもかかわらず5Gでは世界をリードする大企業であり、なかなか影響力の大きな中国企業です。

この「ファーウェイ」、英文ですとテレビの画面にもよく登場していますが「HUAWEI」です。漢字表記「華為」の中国語ローマ字表記が「HUAWEI」ですので、中国語を勉強している人には何ら疑問もないところです。

しかし、「HUAWEI」をカタカタにしたときに「ファーウェイ」と表記するのは、どうしても抵抗があります。「ファー」と表記してしまうと「FA」の発音をイメージしてしまいますが、実際には「HUA」です。「HUA」は、あえてカナ表記するのであれば「ホア」あるいは「フア」といったところです。

確かに「ホア」よりも「ファー」の方が発音しやすいでしょう。特に後ろに「ウェイ」を付けたときには「ファー」の方が発音が断然ラクだというのはわかります。しかし、なまじ中国語を勉強していた身には「FA(ファー)」の音は別にあるので、どうしても「HUA」を「ファー」とは表記したくないという思いが強いです。

目くじらを立てるような問題でないことはわかっていますが、何とも気になってしまうのです。