罔殆庵

染井吉野ナンシーの官能世界

満鉄調査部

『満鉄調査部―「元祖シンクタンク」の誕生と崩壊』読了。


満鉄調査部の歴史というよりは、必然的に満洲国史、日本近現代史といった内容になってしまいます。「あとがき」で「人物を中心に論を進めたために、日本の国内政治や満鉄と調査部の関係が後景に退いた感がなきにしもあらず」と書いていますが、確かに満鉄調査部以外の話題に筆が及んでいる部分が少なくありません。それが満鉄の面白さでもあるのでしょうが。


それにしても、最近は満洲国関係の書籍が、意外と書店店頭を賑わしているような感じがします。やはり戦後60年という節目だからなのでしょうか。でも、ほとんどの書が「満洲」を「満州」と表記しているのは、やはり「いかがなものか?」と思ってしまいます。(高島俊男さんの著書をお読みください!)


なお、本文中157ページの表、一番左に載っている「鈴江源一」は「鈴江言一」の、205ページ後ろから3行目「少なくしようと、し憲兵隊に」は「少なくしようとし、憲兵隊に」の誤植ではないかと思われます。